【予測】新卒一括採用は廃止される?(現在の状況把握 : 就活ルール廃止)
当記事ではコロナ禍の中でこれからの新卒一括採用がどうなっていくのか、現在の動きを元に考察していきます。
また、当タイトル『新卒一括採用は廃止される?』は3テーマ構成となっており、前回の【予測】新卒一括採用は廃止される?(過去の問題点編)の続編として当記事は2テーマ目となっております。
そのため、前記事をまだお読みでない方は先に目を通して頂けますと当記事の内容をより深く理解することができます。
現在大学2,3年生の方は来年、再来年の就活はどうなるのだろうかと不安になっている方も多いのではないでしょうか?



その様な不安を解消すべく前記事では、これまでの『新卒一括採用』の問題点について考察していきました。
その前記事に対して当記事では、採用市場の現在の動きを考察していきます。
なぜ、当記事の内容である『現在の動きを把握する』必要があるのかと言いますと、この3記事に渡る『新卒一括採用は廃止される?』というテーマのゴールは、先を予測して他の学生より早く動き出し準備をすることです。
その未来を予測するためには現在の、今一番最新の状況に目を向ける必要があります。
場合によっては日本は変化のゆっくりな国ですから、3テーマ目の予測に関する記事より、当テーマの『現在』を把握し対応することが実用的になるのかもしれません。
なお、当記事ではより理解を深めたり、現実に沿って行くため、実際に扱われた記事を参考に話を進めていきたいと考えております。
その方針をとった方が、一個人の勝手な予測ではなく現実として起こっていることなんだと実感して頂くことができるでしょう。
では、冒頭長々と話を進めて参りましたが、早速本題へと入っていきましょう!
就活の今 : 新卒一括採用の動向とは?①(就活ルール編)
日本では長らく新卒一括採用を採用してきました。
しかし、ポストコロナ時代において『新卒一括採用の廃止』が行われるということが当タイトルの結論です。
では、一体なぜそのような結果にたどり着いたのでしょうか。
ただ、『ああ、新卒一括採用は廃止されるんだな』という表面だけの理解では正しく行動することはできないでしょう。
前記事では過去に目を向けて『新卒一括採用の問題点』について考えていきましたが、当テーマでは『 現在 』に目を向けていきましょう。
特に現在はコロナによる大きな変革期となり、社会的な変化が起こりやすい状況となっております。
そのため、変化の兆しを逃さないためしっかりと情報収集する必要があります。
現在の新卒採用に関する動きは大きく以下の3つがあります。
- 経団連の就活ルール廃止
- 大学のオンライン化
- 大学の9月入学による世界基準
その中でも今回は経団連の就活ルール廃止についてみていきましょう!
現在の動き : 経団連の就活ルール廃止
経団連の就活ルール廃止について考察していきましょう。
結論として、就活ルールは廃止されていません。
「就活ルール」維持、22年春入社も6月から
これは経団連は就活ルールを廃止したものの、政府が就活をこれまでに沿ったやり方で進める方針をとったためです。
とはいえ、経団連が就活ルールを廃止することは、これからの方針が変わっていく大きな一歩となったため、政府の方針次第ではいつ何時廃止されてもおかしくはありません。
しかし、一旦廃止された就活ルールがなぜ政府によって継続されたのでしょうか?
ここでは社会や企業、学生など多様な面から就活ルール廃止のメリット・デメリットを抑えていきましょう。
就活ルールの廃止 : メリット
まずは就活ルール廃止のメリットです。
新卒一括採用、転機に 経団連が就活ルール廃止発表
就活ルール廃止のメリット① : 【社会面】
まずは社会面からです。
結論から言えば、メリットとしてポテンシャル採用を廃止することができます。
1990年代後半から現在の形態をしており、『終身雇用』『年功序列』『新卒一括採用』と並び、無知の状態で企業に入るのは『退職まで働く前提』が存在しました。
退職までの約40年間企業で活躍してもらうために、採用時に使い物にならずともしっかりと教育をしてもらえるのがポテンシャル採用のよさでした。
つまり、ポテンシャルとは『終身雇用』の中で後々しっかりと活躍してくれる人を採用しようということなのです。
しかし、社会で一般的であった『終身雇用』や『年功序列』の概念が薄れつつある一方で、新卒一括採用も変化を迫られている現状にあります。
ご存知の方も多いことかと思いますが、新卒一括採用は日本独自の採用形態でありグローバル基準ではありません。
そのため、海外の人の目からはほとんどの学生が同時期に同じスーツを身にまとい、1つの型にハマった選考を受けることで『ポテンシャル採用』と呼ばれる形態となってしまっている問題は不気味に映ります。
また、学生自身も『ポテンシャル採用』であるがために周りと見た目も中身も大差ない中で、時には『嘘つき合戦』と呼ばれるほど自分を繕って採用に望むことも稀ではありません。
それゆえ、『これは本当の自分ではない』と就活中に軽い鬱に陥ってしまう学生も存在しています。
そんな『ポテンシャル採用』を廃止できるのは大きなメリットとなります。
就活ルール廃止のメリット② : 【企業面】
次に企業面です。
結論から言えば、メリットとして質の高い採用が可能になります。
その理由として、現在の就活ルールで定められた短期の採用ではなく、長期で学生と向き合うことができるからです。
就活ルールが残る現在でさえ、通年採用を提示している企業は約3割存在しています。
場合によっては好意的な学生に対してはインターン等の形で実際に働かせることでミスマッチがないか確認することができるでしょう。
『ポテンシャル採用』のもとで誇張アピールする学生も流石に長期であれば見破ることもできます。
就活ルール廃止のメリット③ : 【公平性】
最後に公平性の観点から見ていきましょう。
察しの良い方はお気づきかと思いますが、公平性を見ていくということはつまり『不公平』な現状があるということです。
というのも、現状の就活ルールでは3月に就活が解禁し、内定をだすことができるのは6月以降です。
その中で、IT企業や外資系企業は就活ルールに則ることなく期限前から採用活動を行なっている現状があります。
そのため、大学3年の夏以降インターンや説明会などをきっかけとして多くの優秀な学生を先に囲い込むことができてしまう現状があります。
これを公平にするには就活ルールの廃止が不可欠です。
就活ルールの廃止 : デメリット
続いてはデメリットについてみていきましょう!
就活ルール廃止のデメリット① : 【企業面】
まずは就活ルールが廃止されると企業がどのような影響を被るのかについて考察していきましょう。
結論としては、『企業間採用競争が激化する』ということです。
就活ルールがなくなるということは3月解禁という縛りがなくなります。
そのため、現状IT企業や外資系がルールに縛られず採用を先行できる状況を打開できる一方で、決められた日程がないため企業間で通年での採用競争が起こります。
大学4年という縛りももちろん存在しないため、大学1,2年の初期段階から優秀な学生に声をかける、また場合によっては内定を出してインターンよりも社員に近い形での雇用という可能性も十分に考えることができます。
その一方で、採用がうまく行かない企業も多く出てくるでしょう。
今まで、他の企業も一斉に採用活動を始めることができたことで、学生に知ってもらえる機会を得ていた企業も多いです。
そのため、スタート時期がバラバラとなると多企業が一斉に集まる合同説明会や一斉にエントリー可能になるアプリに頼ることなく独自での採用活動を模索する必要が出てきます。
そのような企業が就活ルール廃止したことが、経団連が廃止しても政府によって継続された要因の一部になっています。
就活ルール廃止のデメリット② : 【学生面】
次に学生はどのような影響を受けるのでしょうか?
結論としては、『学業に影響が出る』ということです。
大学には大学を必要としている学生と、大学を必要としていない学生がいます。
これに関しては前記事の『人生の夏休み』の問題をご確認ください。
前者の学生にとっては学業が詰まっている中での就職活動は困難になるでしょう。
研究室等が忙しい、課題に追われる中で他の学生がインターン等で実務経験を積んでいる姿を見るのはプレッシャーに感じる原因になるかもしれないので、その面での対策は必要です。
まとめ : 就活ルールは公平な競争を生み出す
いかがでしょうか?
最後に簡潔に当記事の内容をまとめていきましょう。
まず、前記事で過去の新卒採用市場で考察したことをもとに進めていきました。
今回は就活ルールの廃止についてです。
現状としては、経団連によって就活ルールが廃止されましたが、政府によって継続されている状況です。
というのも、採用競争を不安視する企業からの声、学業との両立を不安に思う学生からの声への対策が不十分であるためです。
その一方でメリットが以下の3点ありました。
- 長期間で質の良い採用ができる。
- ルール外にいる企業がいるため廃止することが公平性を生み出す。
- ポテンシャル採用の問題を解決できる。
これらを理解して頂くことができたはずです。
次記事では当テーマ『就活の今を理解する』の2記事目として、大学のオンライン化についてみていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!