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【就活・業界研究】医薬品業界分析(医薬品業界とは?研究職以外にどんな職種がある?)

【就活・業界研究】医薬品業界分析

皆さんこんにちは、今回の業界分析のターゲット業界は医薬品業界です。

医薬品業界は年収が高いというイメージがあり学生の就職先人気が高い業界となっています。

実際の医薬品業界はイメージ通り年収が高いのでしょうか?

そのほかに就活を控えた大学生の方は医学・薬学・化学の専門知識はないけれども、医薬品業界に就職できるのかということも非常に気になると思います。

本記事では医薬品業界の年収から、儲けのしくみや、どのような職種があるのかなどを紹介していきたいと思います。

医薬品業界とは?

本記事では医薬品業界と書きますが、製薬業界と同じ意味で扱います。(医薬品業界=製薬業界)

シルフク君
シルフク君
今回は医薬品業界についてですね!
そうじゃぞ!
医薬品業界は専門知識を必要とするため年収が高いのが特徴じゃぞ
ナビフク先生
ナビフク先生
う~ん、じゃあ僕は専門知識を持っていないからあきらめるしかないかぁ。。。
心配しなくても研究職以外にもたくさん職種はあるから紹介しよう!

まず初めに医薬品業界とはどのような業界なのでしょうか。

医薬品業界は研究開発するだけ、と思ってはいませんか?研究開発するだけではありません。

Wikipediaによると
医薬品産業(いやくひんさんぎょうpharmaceutical industry)とは、認可医薬品を創薬、開発、生産、市場販売する一連の産業を指す。
とあります。

一文で表していて分かりやすいですね。

この一文にもあるように薬を作り出す「創薬・開発」だけではなく、「生産」・「市場販売」といった仕事もしています。

各フェーズで研究開発の知識ではない別の知識も必要となり、それにともない様々な職種が存在します。

業界規模

医薬品業界は国内で10兆6246億円※、世界では113兆6971億円※です。

日本は、アメリカ・欧州5か国・中国に続いて第4位です。

※医療用医薬品の売上高、2016年、クインタイルズIMS調べ

第一三共株式会社さんのHPで非常にわかりやすく業界規模を示していたので引用します。

参考:AnswersNews 会社四季報業界地図・第一三共株式会社

 

「医薬品」の種類

「医薬品」は2種類に分けることができます。

1つ目は、医師の処方箋が必要で、薬局や病院で処方される「医療用医薬品」

2つ目は、処方箋が不要でドラッグストアや薬局などで売られる「一般用医薬品」です。

また、「医療用医薬品」はさらに2種類に分かれます。

それまでになかった薬効成分を持つ「先発医薬品」と先発医薬品の特許が切れた後に製造される「後発医薬品」です。

先進医薬品は「新薬」、後発医薬品は「ジェネリック医薬品」と呼ばれることもあります。

国内医薬品市場のうち、9割程度は医療用医薬品によって占められており、さらにそのうちの9割程度が先発医薬品です。

新薬を開発するための費用と期間

医薬品を製造・販売する企業で最も重要な活動は、薬の研究・開発です。

1つの薬を開発する期間は9~17年、200~300億円もの費用がかかるといわれています。

薬は次のような段階を経て開発されています。

  1. 基礎研究(2~3年)
    天然素材(植物・動物・鉱物など)からの抽出(ちゅうしゅつ)や、化学合成・バイオテクノロジーなどさまざまな科学技術を活用して、くすりの候補となる化合物をつくり、その可能性を調べる研究です。候補となる新規物質の化学構造を調べ、スクリーニング試験を繰り返しおこなって、取捨選択していきます。最近はゲノム情報の活用も進められています。
  2. 非臨床試験(3~5年)
    くすりになる可能性のある新規物質の有効性と安全性を、動物や試験のために人工的に育てた細胞を用いて確認します。
    また、物質が体の中でどのように吸収され体内に分布していくのか、どのような影響を与えて体の外へ排泄(はいせつ)されていくのかなどを観察したり、物質自体の品質、安定性に関する試験もおこないます。
  3. 臨床試験(3~7年)
    非臨床試験を通過したくすりの候補が、人にとって有効で安全なものかどうかを調べるのが臨床試験(治験)です。
    治験は3段階に分かれていて、病院などの医療機関で、あらかじめ同意を得た健康な人や患者さんを対象に繰り返し試験をおこない、データを収集して、くすりとしての可否を判断します。
  4. 承認申請と審査(1~2年)
    くすりとして有効性・安全性・品質が証明された後、厚生労働省に対して承認を得るための申請をおこないます。
    厚生労働省では、医薬品医療機器総合機構に審査を依頼し、その審査を通過した後に、学識経験者などで構成する薬事・食品衛生審議会の審議を経て、厚生労働大臣が許可すると、医薬品として製造・販売することができます。

このように薬の研究~販売までは非常に長い期間と多くの費用が必要です。

依然と比較すると研究開発に要する期間は年々長期化する傾向にあるそうです。

参考:日本SMO協会製薬協

儲けのしくみ

医薬品業界は新たに薬を研究・開発して、それを販売することで利益を得ています。

しかし、莫大な費用と時間をかけて研究・開発した薬をほかの企業に複製されてしまっては元も子もありません。

そこで必要になるのが特許です。

現在の特許法では、取得した特許権の存続期間を出願から20年と定めています。

特許権の存続期間中は独占販売ができるのでその間に開発・研究費などを回収します。

医薬品の特許には「物質特許」「製法特許」「製剤特許」「用途特許」の4種類が存在しています。

  1. 物質特許
    物質そのものを保護する特許です。一般に化学式などで特定されます。物質特許は医薬品の中で最も重要で権利範囲の広い特許です。
    物質特許を取得できれば、開発した医薬品を独占的に製造・販売することができます。
  2. 用途特許
    新薬候補化合物がどのような疾患の治療(予防)に有効なのか(効能・効果)を特定した特許です。
    医薬品として承認されている適応(用途)を保護する特許を「基本用途特許」と呼びます。
    また、同じ化合物で新たな効能効果を見つけた場合、用途特許を取得します。
  3. 製剤特許
    医薬品の製剤上の工夫(安定化など)に関する特許です。製剤にする際には製剤の安定性、有効成分の吸収や安定性などを考慮した工夫がなされてます。
    承認された医薬品の製剤処方を保護する特許を「基本製剤特許」と呼びます。
  4. 製法特許
    医薬品の有効成分の製造過程で出てくるアイデアを特許として保護します。

通常は治験を行う前の段階で特許の出願を行うので、20年間の特許期間がありますが、実際に新薬を独占販売を行うことができる期間は5~10年といわれています。

独占販売機期間で費用を回収しなければならないが、国からの”値下げ”圧力が高まっている。

例えば2017年2月に小野薬品工業の抗がん剤「オプジーボ」は肺がんの場合で年間約3500万円という高額薬剤費が問題視されたことで市場拡大再算定の特例が適用され、改定時期を待たずに早々と薬価が50%引き下げられることがあった。

ちなみに薬の価格は政府と新薬を開発した企業の間で決められるため、企業が好きに設定できるわけではありません。

薬価の設定は複雑なのでAnswersNews Plusを参考にしてください。

参考:治験業界の求人・転職ガイド

医薬品業界の職種

医薬品業界では大きく分けると3種の職種が存在します。

  1. 研究職
    研究職は新薬を研究開発する役目を持った職種です。新薬を開発するために高度な専門知識を持つ必要があり、多くの人が博士号を持っています。学生時代に薬学部で薬について学んでいても簡単に就ける職種ではありません。製薬企業の場合、研究と開発の仕事は明確に分かれています。研究職は医薬品を構成する物質の探求と実験を主に行います。研究部門は、合成、薬理、毒性・安全性、薬物動態、製剤などに分かれて担当し、研究所に籠って研究チームの一員として日夜実験を繰り返し行う仕事です。
  2. 開発職
    研究職が医薬品を構成する物質の探求や実験をメインに行うのに対して、実際に人体に投与したときの安全性を確立させるために臨床試験を行うのが開発職です。
    具体的には、動物実験や試験管の中での実験で効果が確認できた薬を使って、医療施設や被験者の協力のもとで治療を行い厚生労働省への承認申請に必要なデータをまとめる業務を行います。
    開発職は厚生労働省と連携しながら書類やデータを厳密に扱うため、品質管理・コンプライアンスの遵守が求められます。開発職によって医薬品の安全性が保たれています。

  3. 医薬情報担当者(MR)
    製薬会社における営業職はMedical Representatives の略称でMRと呼ばれています。医師や薬局などの医療施設に出向き、自社の医薬品の効能や副作用などに関する情報提供をするのが業務内容です。
    また、医師から、使用した医薬品の効果や副作用等の情報を入手し、自社にフィードバックする重要な役割を負います。一般的な営業職と違うのは、直接の販売、価格交渉や代金の回収は行わない点です。これらの業務は一般に医薬品総合商社(卸売)の営業が行います。製薬業界では、医薬品商社の営業をMS(Marketing Specialist)と呼んで、MRと区別しています。製薬会社のMRは医薬品商社のMSと連携して活動し、情報提供はもちろんの事、時には同行して営業活動を行います。MRも高度な専門知識が必要な職種ですが、薬学部や化学部などの学生のみではなく、文系の学生にも就職チャンスがあります。MRの募集人数は多いですが、高収入なため人気職種となっておりライバルが非常に多いです。

研究職・開発職の他にMRと呼ばれる営業職があり、文系の学生さんにも医薬品業界で働くチャンスがあります。

さらにMRは高収入なため、覚えることは非常に多いですが魅力的な職種となっています。

参考:e-製薬就活の答えキャリアガーデン

年収

医薬品業界は比較的年収が高い傾向にあります。

各社公表の有価証券報告書をもとに、2019年版の製薬会社80社の年収についてのまとめによると、平均年収1000万円を超える会社は10社もあり、トップはソレイジア・ファーマの1460万円です。

AnswersNews さんでわかりやすい年収表があったので引用します。製薬会社 平均年収トップ20は以下のようになっています。(※出典:AnswersNews 

全業種の平均年収は440万円前後らしいので医薬品業界の年収水準は非常に高いことが分かります。

出典:AnswersNews 

代表的な国内企業

新薬メーカー

  • 武田薬品工業
    医薬品国内1位。中枢神経、消火器領域に注力。売り上げ1兆7320億円・純利益1149億円・研究開発費3123億円。
  • アステラス製薬
    医薬品国内2位。新薬開発に特化。泌尿器、免疫抑制に加え、がん領域を拡大中。売り上げ1兆3116億円・純利益2187億円・研究開発費2081億円。
  • 第一三共
    医薬品国内3位。循環器領域と感染症薬に強み。がん新薬の開発に注力中。売り上げ9551億円・純利益534億円・研究開発費2143億円。

後発薬メーカー

  • 日医工
    後発薬1位。バイオ後発薬にも注力。売上高1633億円・営業利益85億円。

大衆メーカー

  • 大正製薬HD
    大衆薬国内1位。大衆薬最大手。ドリンク剤、風薬薬、育毛剤が主力。新薬も手掛ける。売上高2797億円・営業利益319億円。

 

ホットトピックス

  • 薬価の値下げ圧
    2年に1回、4月の医療報酬改定に合わせて医療用医薬品の公定価格である薬価の見直しがあります。ここで決まった薬価は次の改定まで変わりません。薬価改定は市場の薬価の実態と合わせるために引き下げを行うのが基本です。(市場の薬は薬価よりも低い価格で売買されている)しかし、政府は2年に1回の薬価改定を2018年度から毎年行う方針を示しています。さらに薬価の引き下げ率が年々大きくなっています。
  • ジェネリック医薬品の推進
    医薬品業界では医療費抑制の傾向が激しを増し、特に新薬メーカーには逆風が強まっている。国は特許切れ薬と同じ成分を持つ安価な後発薬への切り替えを促進し、2020年度までに後発薬のシェアを80%以上に高める方針です。
  • 海外市場への進出
    国内市場に頼っていてはジリ貧だとばかりに、海外強化の動きがみられる。外国人社長が率いる武田薬品工業はがんなど重点領域の研究開発拠点を米国に集約している。アステラス製薬は欧州の創薬企業を相次いで買収した。両社の他大日本住友製薬では、すでに海外比率が5割を超えている。

まとめ

ここまでで医薬品業界の基礎知識を紹介してきました。

医薬品業界と聞くと研究職と開発職しかなく、専門知識がない文系大学生には縁がないと思われがちですが、MRと呼ばれる職種もあり様々な方が活躍しています。

比較的給与も高い傾向にあり、医薬品業界が気になった方はさらに調べて、チャレンジしてみるといいと思います。

 

 

 

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